道内におけるエゾシカの被害は拡大しており、捕獲・駆除の対象になっています。
その一部が廃棄されるなかで、ジビエ料理として食べることも少なくありません。
エゾシカはジビエのなかでも、高たんぱくかつ低脂質ということもあり、非常に人気がある食材です。
今回は、エゾシカの調理方法を紹介し、調理の際のおすすめレシピも紹介するので参考にしてください。
他のお肉と比べエゾシカは低脂質なのにビタミンや鉄分などが豊富なので、健康や美容に気遣ったものを選びたい方にもおすすめできる一品です。
ジビエで有名「エゾシカ」の調理方法・注意点を紹介ジビエで有名なエゾシカは、「シカ肉」として親しまれており、さっぱりとした赤身肉が特徴です。
その色の鮮やかさから、シカ肉を使用した鍋は「もみじ鍋」と形容されることもあります。
さらに、シカ肉は高たんぱくかつ低脂質で、さらに鉄分も多く含むことから、健康食品として加工されることもある食材です。
そこで今回は、エゾシカの以下の点をまとめました。
- 食べられる主な部位
- 主な調理方法
- 臭みがある場合の対処法
最近では、ふるさと納税でシカ肉を返礼品に指定している自治体も多く、興味がある方も多いと思います。
シカ肉を食べたいと思っている方は、事前知識として把握しておきましょう。
シカ肉を使って調理する機会は少ないかもしれませんが、自宅でもエゾシカの深いおいしさを味わえるのでチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
主な部位
エゾシカは、牛肉同様にさまざまな部位が食べられます。
部位によって調理方法が異なりますが、主に食べられることが多い部位は、以下のとおりです。
【エゾシカで食べられることが多い部位】
- 肩ロース
- バラ肉
いずれも食べ応えがある部位で、エゾシカを堪能できます。
肩ロース
エゾシカは、自然を走り回る動物ということもあり、非常に筋肉質です。
肩ロースは、宝石のルビーのように赤く、赤身が好きな人にはおすすめな部位です。
しかし、程よく脂肪もついていることから、調理するとジューシーな仕上がりに。
シンプルに炭火焼にすると、シカ肉本来の味を堪能できます。
バラ肉
筋肉質なエゾシカでも、バラ肉は脂身を堪能できる部位です。
しかし、牛肉や豚肉に比べると、シカ肉の脂はさっぱりしています。
お店によっては、ミンチ状にしてハンバーグとして提供するところもあるとか。
また、シカ肉専門店では、ジンギスカンとしてバラ肉を提供することもあります。
主な調理方法
エゾシカの調理方法は、部位によります。
なかでも、以下の調理方法はメジャーです。
【エゾシカの主な調理方法】
- ロースト:シカ肉本来の味を堪能できる
- 焼き:ジビエ感が強いワイルドな味に仕上がる
- 煮込み:繊維状になったシカ肉を堪能できる
シンプルにシカ肉を楽しみたいなら、ローストや焼きがおすすめです。
臭みが気になる場合や、柔らかくしたい場合は、煮込み料理にしましょう。
臭みがある場合の対処法
エゾシカはジビエということもあり、臭みが気になる場合があります。
多くの場合、プロが加工しているため、家に届くころには気にならないことがほとんどですが、気になる場合は以下の処理をしましょう。
【臭みがある場合の対処法】
- 1~2時間ほど塩水処理をする(塩は水に対して5~15%)
- 水が赤くなったら入れ替える
- シカ肉が白みがかるまで1~2を繰り返す
- 軽く水洗いをする
この処理をすることで、シカ肉の臭みを軽減できます。
また、調理の際に牛乳を使用したり、塩こうじを使用することで、臭みを消す方法もあります。
エゾシカを臭みなく食べる方法
ジビエとして食べることが多いシカは、ホンシュウジカとエゾシカに分類されます。
なかでも、エゾシカはジビエ感が強く、臭みが強いという人も少なくありません。
せっかくおいしく食べるなら、臭みがないほうがいいので、以下の方法をおすすめします。
【エゾシカを臭みなく食べる方法】
- 下処理済みのお肉を購入する
- 塩水処理・塩こうじで処理する
シカ肉を調理する際は、それぞれ参考にしてください。
下処理済みのお肉を購入する
市場に流通しているシカ肉は、基本的に下処理されています。
例えば、こちらのシカ肉。
すでに下処理されているもので、衛生管理された工場で加工されているため安心して注文できます。
それでも臭みが気になる場合に、次の対処法を行いましょう。
塩水処理・塩こうじで処理をする
シカ肉に限らず、ジビエ料理で臭みを感じる原因の多くは血液にあります。
しっかり血抜きされている肉なら、ジビエ特有の生臭さを感じづらいです。
シカ肉を塩水に漬け込むと、浸透圧の関係で血抜きされます。
そのため、塩水が濁らなくなるまで、入れ替えて漬け込むことで臭みが軽減できます。
塩気が気になる場合は、流水で洗い流すか、通常の水に1時間ほど漬け込みましょう。
漬け込むと表面が変色したり変形したりしますが、その部分はトリミングします。
多少過食部位が減るものの、シカ肉を臭みなくおいしく食べられるのでおすすめの処理方法です。
エゾシカ協会が推奨するシカ肉レシピ6選
今回、一般社団法人のエゾシカ協会が推奨する、エゾシカをおいしく食べるためのレシピを集めました!
それぞれ紹介すると、以下のとおりです。
【エゾシカ協会が推奨するシカ肉レシピ】
- えぞしかロースの炭火焼ロースト
- シカ肉の赤ワインシチュー
- えぞしかのロース肉のみそ漬け
- スープカレー
- えぞしかもも肉の蒸しもの
- えぞしか肉のチンジャオロース
シカ肉を購入して、自宅で食べたいと思っている方は、ぜひ参考にしてください。
おもてなし料理として珍しいものを作りたいときにも重宝するメニューで、喜ばれること間違いなしです。
シンプルに楽しむなら「えぞしかのロースの炭火ロースト」
シンプルに、エゾシカの風味を楽しみたいなら、炭火ローストがおすすめです。
使用する材料は、以下のとおりです。
- エゾシカのロース肉
- 塩コショウ
ジビエ特有の風味を感じられる一品で、臭み取りや血抜きなどの下処理は、調理前に済ませておきましょう。
作り方手順は、以下のとおりです。
【エゾシカのロースの炭火ローストのレシピ】
- エゾシカを分厚く切る
- 軽く塩コショウを振る
- 直火で熱した網の上で加熱する(十分に火を通す)
- 食べやすい大きさに切り分ける
シカ肉のワイルドさを、直接堪能できるレシピです。
煮込みでシカ肉を柔らかく!「シカ肉の赤ワインシチュー」
風味が気になる場合は、煮込み系のレシピをおすすめします。
なかでも、シチューは、シカ肉の風味も楽しみつつ、ほかの野菜やソースが臭み取りになるため、風味をマイルドにしてくれます。
使用する材料は、以下のとおり。
- 500g~1Kg程度のシカ肉(肩ロース、バラ肉など)
- タマネギ2個
- 小麦粉60g
- ワインビネガー40cc
- トマトケチャップ60g
- 砂糖20g
- 塩適量
- コショウ適量
シカ肉の風味と赤ワインの風味がマッチして、食欲をそそります。
作り方手順は、以下のとおりです。
【シカ肉の赤ワインシチューのレシピ】
- シカ肉を油できつね色になるまで炒める
- 玉ねぎを加えて炒める
- その他の材料をすべて入れて炒める
- シカ肉が隠れる程度に水を入れて2~3時間煮込む
(肉がひたるように適宜水を追加する)
少々手間がかかる料理ですが、その手間こそシカ肉をおいしく調理するコツです。
臭みが気になるなら「えぞしかのロース肉のみそ漬け」
臭み取りをしても、まだ野生の香りがするなら、漬け込み料理もおすすめです。
みそ漬けにすることで、みその風味がシカ肉に浸透して、香りをマイルドにしてくれます。
使用する食材は、以下のとおりです。
- エゾシカのもも肉やすね肉
- 食塩
- 砂糖
- こしょう
- ガーリックパウダー
- ナツメグ
- 味噌
- 生姜
- ニンニク
これらの食材を、保存容器に入れて3日間漬け込みます。
漬け込む際は、15度以下の環境で保存しましょう。
漬け込みが完了したら、表面についている味噌を流水で洗って、ローストします。
鹿肉の風味を抑えつつ、赤身肉の触感を堪能できる一品です。
北海道といえば「スープカレー」
北海道にはさまざまなソウルフードがありますが、スープカレーもその一つです。
スープカレーには鶏肉や牛肉を入れることが多いですが、実はシカ肉もおすすめです。
エゾシカ協会では、以下のレシピを推奨しています。
【材料】
- シカ肉
- 玉ねぎ
- ジャガイモ
- にんじん
- ピーマン
- カレー粉、そのほかスパイス
【作り方手順】
- シカ肉をミキサーでひき肉にする
- ひき肉を炒め塩コショウで味を調整する
- 色が変わったら玉ねぎのみじん切りを入れる
- 玉ねぎの色が変わったらお湯で加熱する
- 煮立ったらカレー粉やスパイスで味付け
- 別の鍋でジャガイモ、ピーマン、ニンジンを素揚げにする
作り方は通常のスープカレーと同様で、シカ肉をひき肉にすることで、風味を抑えられます。
また、スパイスが効いてシカ肉特有のクセを感じないので、初めてジビエを食べる人におすすめの調理方法です。
素材の味を生かせる「えぞしかもも肉の蒸しもの」
素材の味をそのまま堪能したいなら、蒸し焼きにすることも一つの方法です。
シカのもも肉は、非常に筋肉質で赤身がぎっしり詰まっています。
そのため、シカそのものの風味を味わえます。
材料とレシピは以下のとおりです。
【材料】
- エゾシカのもも肉
- 好みで味噌
【作り方手順】
- もも肉を食べやすい大きさに切り分ける
- 蒸し器に入れて蒸し上げる
非常にシンプルな作り方ですが、やや風味が気になる場合は、味噌漬けにするとよいでしょう。
前述したロースのみそ漬けと同様で、3日ほど漬け込んだシカ肉を蒸すことで、風味を抑えたマイルドな仕上がりになります。
エゾシカを調理する際の注意点
昔に比べると、エゾシカやイノシシといったジビエ肉は、気軽に手に入るようになりました。
しかしジビエ肉を自宅で調理する場合は、いくつか注意点があります。
まず、ジビエ肉は、牛や豚などの家畜とは異なり、以下のような菌やウイルスを持っている可能性があります。
【ジビエ肉のウイルスや菌】
- E型肝炎ウイルス
- 腸管出血性大腸菌
- 寄生虫
そのため、これらの菌を死滅させるためにも、しっかり加熱した状態で食べることが大切です。
さらに、農林水産省のガイドラインでは、以下のように定められています。
- 色や臭い等の異常が見られた場合廃棄する
- 中心部の温度が75度で1分間以上加熱する
- 調理に使用した器具は83度以上の温湯または次亜塩素酸ナトリウムで消毒する
- 保存する場合は10度以下で保存する(凍結したものは-15度以下で保存)
すでに加工されているシカ肉に関しては、気にする必要はありません。
しかし、一から調理する場合は、上記のガイドラインを守った上で調理しましょう。
エゾシカのおすすめふるさと納税レシピ
シカ肉はヘルシーで、なおかつジビエを堪能できることから、ふるさと納税でも人気があります。
今回は、エゾシカを使ったふるさと納税のなかでも、とくにおすすめできるレシピを紹介します!
【エゾシカのおすすめふるさと納税レシピ】
- カラダ喜ぶ鹿肉の醤油煮
- エゾ鹿肉 お肉を味わう餃子
- カラダ喜ぶ鹿肉のシチューとニラ炒めの素セット
どのふるさと納税にしようか迷っている方は、一度検討してみてください!
ふるさと納税をしながら、普段味わえないものに舌鼓したいならエゾシカを使ったメニューを検討されてはいかがですか?
カラダ喜ぶ鹿肉の醤油煮
シカ肉をホロホロになるまで煮込んだ、醤油煮。
こちらは、「エゾシカ入門編」として提供されている返礼品で、ジビエ特有の野生っぽさを独自の製法で食べやすく加工されています。
使用されているのはシカのバラ肉と肩肉であり、バラ肉のほどよい脂身と、肩肉の繊維質な赤身の両方を堪能できます。
調理方法は簡単で、湯せんで15分温めるだけです。
ジビエに挑戦したい人に、おすすめの返礼品です。
エゾ鹿肉 お肉を味わう餃子
ジビエの風味が少し気になるなら、加工されたものから挑戦するのもよいでしょう。
こちらは、シカ肉をふんだんに使った餃子の返礼品です。
お肉はあらびきになっており、シカ肉の筋肉質な触感を楽しめます。
また、豚肉との合いびき肉なので、シカの風味も抑えられており、ジビエの風味に不安がある人にもおすすめです!
価格も4,000円と、ふるさと納税のなかでは安く、「前からシカ肉に興味があった」という人におすすめできる返礼品です。
カラダ喜ぶ鹿肉のシチュー
シカ肉の独特な風味が気になる方におすすめな、鹿肉のシチュー。
こちらも、醤油煮同様にエゾシカ入門編として提供されている、返礼品です。
バラ肉と肩肉をホロホロになるまで煮込んだ鹿肉シチューは、シカ肉の風味を味わいつつ、シチューのコクを堪能できます。
調理も15分湯せんするだけなので、非常に簡単です。
自宅でシカ肉を堪能したい人に、おすすめな返礼品です。
まとめ
エゾシカは駆除対象になっているものの、高たんぱく低脂質、低カロリーということから、北海道ではメジャーな食材です。
ジビエ特有のワイルドさを堪能できるほか、さまざまな調理方法があるため、ジビエに挑戦したい人におすすめです。
また、北海道のふるさと納税では、シカ肉を取り扱ったものも多く存在します。
シカ肉に興味があるなら、一度ふるさと納税をして、味を確かめてみてください!