「釧路湿原には何があるの?」「どうやって観光すればいい?」
釧路湿原は日本で最大といわれるほどの大きな湿原で、敷地内にはさまざまな植物や動物が生息している自然豊かな場所です。
本記事では、釧路湿原の魅力や釧路湿原のおすすめの観光方法をご紹介します。
釧路湿原までのアクセス方法や体験できるアクティビティについても解説するので、ぜひ参考にしてください。
釧路湿原ってどんな場所?
釧路湿原とは、手付かずのまま残された広大な自然の美しさが魅力の湿原です。国の天然記念物であるタンチョウをはじめ、さまざまな動物の生息地になっているのが特徴です。
敷地内には展望台や木道などさまざまな観光スポットがあり、北海道の自然を身近に体感できるスポットが充実しています。
日本で一番大きな湿原
釧路湿原は、北海道釧路平野に位置する日本最大の湿地で、面積はおよそ26,000haもの範囲にわたります。釧路湿原では釧路川や川久著呂、雪裡川などが大きく蛇行しながら湿原を網の目のように流れているのが特徴です。
湿原の東側にはシラルトロ湖や塘路湖、達古武湖の3つの淡水湖沼をはじめ、いくつものサイズの異なる沼が点在しています。
湿原のおよそ80%にはヨシやスゲ、残りの20%にはヌマガヤやヤチヤナギの生い茂る中間湿原、ミズゴケ群落の多い高層湿原が広がっています。
さらに湿原内には、およそ700種類の植物と、1,300種類もの動物が生息していますよ。タンチョウをはじめ、日本最大の淡水魚であるサケ科のイトウやキタサンショウウオなど珍しい動物や魚なども多いです。
また人の活動の少ない釧路湿原は自然界の餌が充実しており、多くの鳥類の生息地にもなっています。
ラムサール条約の登録湿地
釧路湿原は地元の方々による研究や環境保護が国際的に認められ、昭和55年に日本国内で1つ目のラムサール条約の登録湿地に認定されています。
ラムサール条約とは、国際的に重要な湿地を守り、水鳥の生息地としてだけではなく、湿地そのものが持つ資源や価値を将来にわたって維持していくのを目的とした条約のことです。
条約に登録されている範囲は年々広がっており、登録当時は鳥獣保護区部分の5,012ha、その後平成元年には7,726haと広がり平成23年には7,863haもの敷地が登録されています。
釧路湿原観光の所要時間
釧路湿原の面積はおよそ26,000haと日本最大級の広さを誇り、観光手段によってかかる所要時間は異なります。1ヶ所の展望台から湿原を眺めるだけであれば1日でも十分でしょう。
しかし、展望台は湿原内に複数箇所あり、1周しながら複数の展望台や遊歩道を巡る場合、1泊2日がおすすめです。また、敷地内には湿原を観光できるアクティビティもあり、楽しみながら観光ができますよ。
移動しながら観光する場合は、ノロッコ号に乗ってゆったりと揺られながら敷地内の景色や野生動物を観察できますよ。移動範囲にもよりますが、1日あればしっかりと観光ができるでしょう。
釧路湿原の魅力3選
広大な大地が広がる釧路湿原にはさまざまな動植物が見られるほかに、色々な楽しみ方ができますよ。釧路湿原の魅力は以下の3つです。
- タンチョウが見られる
- 公園内でアクティビティが楽しめる
- 各地の展望台から景色が眺められる
では、順番に説明します。
1.タンチョウが見られる
釧路湿原では年中通してタンチョウが見られます。タンチョウとは日本に生息する野鳥の中でも最も大きい鳥で、白い羽毛に覆われ、頭頂部の鮮やかな赤色が特徴的です。
一時は湿原の開発や乱獲によって減少し、絶滅の危機にありましたが大正時代に再び発見され現在はおよそ1,500羽以上まで回復しています。毎年11月から3月の間、釧路湿原はタンチョウの給餌期となっており、湿原内では多くのタンチョウが見られます。
5〜6月であれば運が良ければタンチョウの雛の姿を見られるチャンスもありますよ。タンチョウを見かけた際には、静かに観察するようにしましょう。一方で夏場は主に湿原の奥地で過ごすため、大自然で暮らす姿はあまり見られません。
夏場でもタンチョウを楽しみたいという方は、釧路市丹頂鶴自然公園に行くと通年数十羽の放し飼いされているタンチョウが見られます。
2.公園でアクティビティが楽しめる
釧路湿原公園内では、観光だけでなく、さまざまなアクティビティが体験できますよ。おすすめのアクティビティは以下の3つです。
- ホーストレッキング
- カヌーツアー
- ワカサギ釣り
では、順番に解説します。
1.ホーストレッキング
ホーストレッキングでは北海道の和種馬「道産子」に乗って湿原の散策が行えます。道産子は体格が低く気性の穏やさが特徴で、前の馬を追うように調教されており乗馬初めての方でも安心して乗れますよ。
プランには5時間かけて湿原公園内を歩く1日コースや、2時間で手軽に楽しめる半日コースなどがあります。料金は。1日コースの場合、17,300円で中学生から参加が可能です。半日コースの場合は9,100円で子どもは10歳から参加ができますよ。
またこのほかにも牧場内のみであれば引き馬体験や45分コースなどもあります。中学生の方は保護者同伴での参加が必要になるため注意しましょう。
2.カヌーツアー
長さ154kmにも及ぶ釧路川の上流から下流まで、カヌーを満喫できるのが魅力のカヌーツアーもおすすめです。手付かずの自然の中をカヌーで進む体験ができ、自然の野鳥や動物、植物などを間近に観察できますよ。
時期によって北海道の四季を感じられ、春から夏にかけては新緑の爽やかな香り、秋は紅葉の景色と冬にはダイヤモンドダストが見られることもありますよ。ガイド付きツアーも多く、歴史や自然について学びながら楽しめるアクティビティです。
カヌー体験ができるツアーはさまざまな種類があり、料金は大人2名以上であれば6,000〜8,000円、1人参加の場合は9,000〜12,000円です。小学生は3,000〜5,000円の範囲で見ておくとよいでしょう。
3.ワカサギ釣り
冬のシーズンにはワカサギ釣りが楽しめますよ。湿原中心の湖沼は冬になると厚み約10cmの氷に覆われます。その上に乗り氷穴へと穴を開ければワカサギ釣りができます。プログラムによって道具は一式レンタルできるため、手ぶらで体験できるのもポイント。
ガイド付きのものも多く、初心者でも安心してワカサギ釣りができますね。釣れたワカサギは施設へ持っていけば唐揚げにして食べられます。プログラムによっては駅まで送迎してもらえるものもありますよ。
3.各地の展望台から景色が眺められる
釧路湿原内には、各地に6ヶ所の展望台があります。それぞれ異なる角度から湿原を見渡せられるため、違った風景を見られるのが魅力。それぞれの展望台の特徴は以下の通りです。
展望台名 | 特徴 |
釧路市展望台 | 1周およそ2.5kmの遊歩道があるショップとレストランが併設されている展望台 |
細岡展望台 | 釧路川と雄阿寒岳と雌阿寒岳が一度に眺められ、夕陽スポットにもおすすめ |
サルボ展望台 | 湿原の中で最も広い「塘路湖」が見え、ノロッコ号撮影にもぴったり |
サルルン展望台 | サルボ展望台より800mの距離にあり、サルルン沼や釧網本線を眺められる |
コッタロ湿原展望台 | タンチョウの最大生息地を見渡せる展望台で、運が良ければアオサギなどの野鳥に出会える可能性もある |
北斗展望地 | 別名「サテライト展望台」パーキングエリア内にあり、朝日を眺めるのにおすすめ |
場所によっては夕陽の見えるスポットや付近にレストランや資料館が併設されているところもあるため、目的に合わせて選ぶとよいでしょう。
釧路湿原のベストシーズンは目的によって異なる
釧路湿原は式に合わせてさまざまな景色が眺められるので、時期に合わせるとより湿原の魅力を味わえますよ。植物や美しい花々を眺めたい方は6〜7月がおすすめ。
晴れ渡る青空の下でヒオウギアヤメやクロハナエシノブ、ホソバシモツケなどさまざまな自然や野鳥が観察できますよ。動物がメインであれば春の時期もよいでしょう。
紅葉が眺められる秋の湿原は、10月中旬が見頃です。1〜3月は防寒対策が必要ですが、幻想的な雪景色やタンチョウの姿を観察、撮影できるでしょう。季節ごとにさまざまな美しい景色が楽しめるのもうれしいポイントですね。
釧路湿原は世界遺産ではない
釧路湿原は世界遺産ではありません。釧路高原が登録されているものはラムサール条約のみとなっているので注意しましょう。北海道で遺産として登録されているものは平成17年に世界自然遺産に登録された知床のみとなっています。
そのほかおすすめ観光方法
釧路湿原内での観光方法は、ホーストレッキングやカヌーツアー以外にも遊歩道散策やノロッコ号の乗車など、大人も子どもも楽しめる観光方法がありますよ。ここでは、それぞれの特徴や魅力について解説するので、観光の参考にしてくださいね。
湿原内の遊歩道で動植物を観察する
釧路湿原を歩いて巡りたい方は遊歩道を散策するのもおすすめです。遊歩道は湿原の広大な大地を歩きながら体感できるのが魅力。敷地内には6つの遊歩道があり、場所によってはアップダウンが激しいところもあります。
そのため、自分の体力に合わせて選ぶとよいでしょう。遊歩道を歩いていると展望台にたどり着くので、展望台とセットにして巡れますね。
季節や時期によって遊歩道から見られる景色は変化していくため、何度訪れても違った味わいを楽しめるでしょう。それぞれの遊歩道の特徴は以下の通りです。
遊歩道名 | 特徴 |
釧路市湿原展望台の遊歩道 | 休憩ポイントが充実しており、車椅子やベビーカーも利用できるので家族連れにおすすめ |
温根内木道 | 1周およそ2kmの距離でミズゴケ湿原や花々を歩きながら楽しめる |
シラルトロ湖の遊歩道 | 湖沿いでさまざまな蝶々が見られる、「町の森歩道」へとつながっている |
細岡展望台の遊歩道 | 展望台隣接のラウンジ横から続く遊歩道30分程度で歩ける |
達古武夢ヶ丘歩道 | 丘陵地にありミズバショウなどの植物が見られ、頂上からは列車が眺められる |
塘路湖畔歩道・フィトンチッドの森歩道 | バードウォッチングにおすすめ、道中にはアイヌ民族の遺跡展示なども見られる |
くしろ湿原ノロッコ号に乗る
乗り物を使って観光したい方はノロッコ号を使うと観光しやすいですよ。夏季と冬季によって異なる魅力を味わえます。ノロッコ号は見どころに近づくとスピードを落としゆっくり走行してくれるため、自然の風景を満喫できます。
また野生動物を見つけた際にも減速してくれるため撮影がしやすいのもうれしいポイントですね。動物の数や見どころポイント有無によって到着時間が異なるので、時間に余裕を持って乗るようにするとよいでしょう。
冬季には「SL冬の湿原号」の運行が始まり、週末をメインに走行が行われます。レトロな雰囲気が残る社内にはダルマストーブがついており、車内販売のスルメを焼いて楽しむこともできますよ。
乗る車両によって内装のデザインも異なるため、行き帰りで車両を変えるのもよいでしょう。運行情報は不定期で更新され、観光シーズンには予約が埋まりやすいので詳しくはJR釧路駅にお問い合わせください。
釧路湿原までのアクセス方法
釧路湿原へはさまざまなアクセス方法があります。電車を使って釧路本線のJR釧路駅から釧路湿原駅へ行く場合の所要時間はおよそ20分ほどです。バスで行く場合は釧路駅から釧路湿原展望台行きの阿寒バスに乗るとよいでしょう。
およそ40分で到着します。タクシーやレンタカーなど、車を使う場合は釧路空港から釧路湿原まで20分ほどかかります。いずれのアクセス方法も1時間以内であれば到着する距離の近さが魅力です。
まとめ
本記事では、釧路湿原の魅力や特徴、アクティビティに関してご紹介しました。
釧路湿原は26,000haと広大な敷地面積を誇る国内最大の湿地で、敷地内にはさまざまな動植物が生息している豊かな土地です。
どの時期に行っても自然の魅力が感じられるので、釧路観光の際にはぜひ行ってみてくださいね。