「知床峠展望台をドライブしたいけどどうやっていけばいい?」
「付近の観光スポットは何がある?」
このような悩みを抱える方は多いでしょう。
本記事では、知床展望台の魅力や付近のおすすめスポットをご紹介します。各空港やエリアからの行き方まで詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
もくじ
知床展望台は夜に美しい星空が見れる場所
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知床峠展望台は、斜里町と羅臼町を結ぶ横断道路の頂上付近にある展望台のことです。北方領土を除き日本の最東北端に位置し、付近には日本一開通期間の短い国道が走っています。
峠からの眺めは知床八景の1つにも選ばれており、夜には美しい星空や明朝には国後島から昇る朝日を見られる絶景スポットとなっています。また天気がよいと正面には羅臼岳、下にはハイマツの樹海、さらに根室海峡などさまざまな自然の風景が眺められますよ。
知床展望台はドライブコースとしても人気で、秋の紅葉シーズンにはツーリングバイクや観光バスなどで賑わいを見せています。知床峠の横断道路は全長27mの長さでカーブの多い道となっているため、運転初心者の方はスピードを落としてゆっくり進むようにしましょう。
知床峠展望台への所要時間やアクセス方法
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ドライブにおすすめの知床展望台は、公共交通機関を使って向かえます。ここでは、各エリアや空港からのアクセス方法についてご紹介します。
羅臼から知床峠までの行き方
羅臼から知床峠まで行くには、国道334号線を経由して向かいます。レンタカーを使った場合、所要時間はおよそ20分と比較的短時間で向かえるのが魅力。
またレンタカーがない場合は、路線バスに乗って向かうのもおすすめ。斜里バスに乗るとレンタカー同様20分で到着できますよ。バスの本数は1時間に1本のため、乗り遅れないように注意しましょう。
バス停の留所は知床峠だけでなく、知床五湖やウトロ温泉の方面まであるので、そのまま観光に使えるのもうれしいポイントですね。
釧路空港から知床峠までの行き方
釧路空港から知床峠まではレンタカーを借り車で向かう方法と、バスに乗って向かう方法の2種類があります。
レンタカーの場合、知床ウトロまで阿寒湖・弟子屈(てしかが)を経由して向かいます。距離はおよそ190kmで、所要時間はおよそ3時間半ほどです。一方で公共交通機関を利用する場合は、JR釧路本線知床斜里駅から羅臼行きのバスで1時間20分ほどで到着します。
また、そのほかの各空港から知床羅臼までの所要時間は以下の通りです。
出発地 | 所要時間 |
中標津空港 | 車でおよそ2時間30分程度 |
女満別空港 | 車でおよそ3時間程度 |
網走空港 | 夏:車でおよそ2時間30分程度 冬:車でおよそ3時間30分程度 (時期によって通行可能なルートが異なるため) |
知床峠展望台に向かう際には道路状況や天候をチェックしてから向かうようにしましょう。
知床峠に行く前にはライブカメラをチェック
知床峠に向かう前には、峠のライブカメラをチェックしておきましょう。峠の気候は変わりやすく、ウトロ地区や斜里地区の天候が晴れていても、知床峠では天候が変わっている場合もあります。
雨や風が強いと峠のドライブは危険です。知床の情報サイトでは、リアルタイムで知床峠の気温や風速、風向きが数時間ごとに更新されています。急に天候が変わる可能性もあるため、事前に確認しておきましょう。
知床峠展望台付近のおすすめスポット7選
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知床八景に選ばれている知床峠からの眺めもよいですが、それ以外にも付近にはさまざまな観光スポットがありますよ。ここでは、それぞれのスポットの特徴についてご紹介します。おすすめの付近の観光スポットは以下の7つです。
- 知床五湖
- 熊越の滝
- フレペの滝
- プユニ岬
- 神の子池
- 羅臼湖
- 開陽台
では、順番に解説します。
1.知床五湖
知床五湖では、手付かずの原生林を鑑賞できますよ。知床五湖とは知床連山を背景に原生林にある5つの湖のことで、海や森、山や湖などの大パノラマを楽しめるのが特徴です。さまざまな動植物が生息する知床五湖は、世界遺産である知床を象徴する景勝地となっています。
また知床五湖は高架木道と地上遊歩道の2つの歩き方で観光が行えるのも魅力。高架木道はシーズン中無料で安全に散策できるルートです。往復で1.6kmの道のりはベビーカーを引きながら観光できるので、家族で観光できるのもうれしいポイントですね。
地上遊歩道は時期によって散策条件が異なります。3つの利用時期があり、レクチャーの受講やガイドツアーの参加など条件を満たせば巡れるルートとなっています。
さらに地上遊歩道には大小2つのルートがあり、それぞれ異なる場所で自然や風景を楽しめるのも魅力。ルートによって所要時間や探索できる場所や距離、ガイドの料金が異なるので、事前にツアー会社をチェックしておくようにしましょう。
2.熊越の滝
羅臼八景の1つである熊越の滝では、落差8mから落ちる迫力のある滝が見られます。熊の湯露天風呂から遊歩道がつながっており、道中にはヤマダモやアオダモの生い茂る河畔林や樹齢200年以上のミズナラの巨木などを観察できますよ。
メインの滝は羅臼川本流へとつながっており、水量の多さがポイント。秋には美しい紅葉が見られ、四季を通じてさまざまな表情を見せる滝が眺められます。移動時間も比較的短く、短時間で原生林の雰囲気を味わえるため、人気のスポットです。
3.フレペの滝
フレペの滝は年中さまざまな景色が楽しめるスポットです。オホーツク海に突き出している崖から水がほろほろと流れ出ている様子から「乙女の涙」ともいわれています。付近には展望台があり、知床連山や切り立った断崖など知床の景色を一望できるのが魅力。
整備された遊歩道があるため、徒歩での移動も可能です。草原ではセンダイハギやハンゴンソウ、森林にはキビタキやアカゲラなど季節ごとにさまざまな動植物が見られますよ。また断崖には海鳥類の集団営巣地も見られるでしょう。
冬には歩くスキーやカンジキを使ってオオワシやオオジロワシの飛んでいる姿や、凍りつく滝を見に行けます。また、ヒグマの生息地にもなっているため、行く前には出没情報を確認して遭遇しないように注意しましょう。
4.プユニ岬
プユニ岬は、夕日の名所となっているスポットです。アイヌ語で「穴のある場所」を意味し、ウトロから知床自然センターへと向かう途中の上り坂にあります。世界遺産知床の構成遺産であり、オホーツクの海岸線やウトロ港を一望できるのが魅力。
プユニ岬から見られる眺望は知床八景の1つに選ばれており、ウトロ港を発着する遊覧船で観光するのもおすすめです。
さらに岬からは、阿寒摩周国立公園の山や60mもの大きさを誇る巨大な「オロンコ岩」も見られます。
またプユニ岬はオホーツク海の中で最初の流氷の接岸地となっており、港一面に真っ白な雪の平原が現れるのもポイント。年中問わずさまざまな景色が楽しめるでしょう。
5.神の子池
知床峠周辺のスポットなら神の子池もおすすめ。周囲わずか220mの小さな池である神の子池は摩周湖の地下水からできたといわれています。1日およそ12,000tもの水が湧き出ており、冬でも凍らないのが特徴です。
水温は年間を通して8度を維持しており、水の中には倒木が腐らず化石のように沈んでいるのが見られます。
神の子池は水の透明度の高さもポイント。天候によって水の色がエメラルドグリーンや淡い青色へと変化し、幻想的な光景を楽しめるのも魅力です。
摩周湖はアイヌ語でカムイト(神の湖)といわれており、その伏流水からできているという言い伝えから「神の子池」と名付けられたとされています。平成29年8月8日からは「阿寒摩周国立公園」に編入され、国立公園として指定されています。
6.羅臼湖
羅臼湖は知床半島の中で最も大きい湖です。手付かずの自然がそのままの状態で残っているため、季節によってさまざまな景色が見られるでしょう。
昔は知る人ぞ知る秘境とされていましたが、現在はトレッキングルートの整備が行われ、誰でも気軽に観光しやすくなっています。ガイドツアーもあるため、知床の歴史や自然を学びながら散策も可能です。
また知床峠からも羅臼湖が見られ、国後島の山並みや羅臼岳を望む360度の広大な自然を楽しめます。さまざまな自然を楽しめる一方で、環境保護のためにいくつかのルールが設けられています。主なルールは以下の通りです。
- ぬかるみを避けて歩かず、歩道の中央を歩く。
- 動植物や生き物の採取は絶対に行わない。
- ヒグマとのトラブルを避けるため、声を出す、鈴を鳴らすなどの対策をとる。また飲食物の持ち込みは最低限とし、ゴミは持ち帰る。ペットの連れ込みは不可。
- 1グループの人数は10人まで。団体の場合はグループに分け、同じ場所に大勢が集まらないようにする。
- 入り口の入林簿に必要事項の記載をしてから入場する
参考:羅臼湖ルール
7.開陽台
開陽台は、標高270mの丘の上にある中標津のランドマークとなっている展望台です。展望台からは根室海峡や知床連山、北方領土も霞むほどの広大な自然と北海道遺産にも選ばれている格子状の防風林が見られます。
中標津町の市街地からおよそ15分ほどの距離にあり、付近の観光ついでに向かいやすいのが魅力。夜には展望台からさまざまな星々が見られるのもポイントです。
2020年にはトリップアドバイザーで日本人に人気の展望台ランキングにも選出されています。展望台付近の展望館では展示や写真館、軽食コーナーなどが充実しており、ドライブのちょっとした休憩にもぴったりです。
知床峠展望台観光後に行きたいおすすめ温泉3選
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知床峠展望台周辺のドライブ後には温泉街に立ち寄るのもよいですよ。ここでは、知床峠周辺のおすすめの温泉をご紹介します。おすすめのスポットは以下の3つです。
- 熊の湯
- 羅臼温泉
- ウトロ温泉
温泉によって流れる湯の種類や効能が異なるので、自分好みの湯の温泉へ行くのもおすすめです。では、順番に解説します。
1.熊の湯
熊の湯は知床国立公園羅臼温泉街から国道334号を挟んで反対側にある温泉地です。開放感のある露天風呂で季節ごとに変わる原生林の風景を楽しめます。
元々は地元の漁師たちが日々の癒しを癒すための温泉でしたが、現在は全国各地から観光客が訪れるスポットとなっています。また利用料が無料なうえ、24時間どの時間帯でも入浴できるのが魅力。
管理は地元の有志の方々によって行われているので、ルールを守って入浴するようにしましょう。
2.羅臼温泉
羅臼温泉は知床の中でも古い歴史のある温泉地です。温泉街にはさまざまな効能を持つ天然温泉があり、大きなホテルから旅館、民宿までさまざまな宿泊施設が充実しています。
付近ではキャンプが楽しめるエリアや北海道の天然記念物に認定されている羅臼間欠泉もあるので、家族連れにおすすめです。
また羅臼温泉付近には公共の露天風呂である「熊の湯」もあるため、温泉巡りが好きな方にもぴったりです。
3.ウトロ温泉
知床半島の西側にあるウトロ温泉では絶景が見られますよ。知床最大の温泉地とされており、ウトロ港側と高台側の2つのエリアに分かれます。夕方には海に沈む夕日、また冬には押し寄せる流氷を温泉に浸かりながら眺められるのが魅力。
各エリアにはそれぞれ大型のホテルや民宿などが点在しています。また、付近には知床半島を巡る観光船の発着場所があり、知床観光の拠点にもなっています。さまざまなネイチャーツアーも開催されており、温泉を楽しみながら観光できるのもうれしいポイントですね。
知床峠展望台付近のドライブ時の注意点
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知床峠はドライブ観光にぴったりな場所ですがいくつかの注意点があります。ここでは、それぞれの注意点について解説します。安全に知床観光をするために、しっかりとチェックしておきましょう。
熊の出没に注意する
知床半島は野生動物の生息しているエリアが多数存在しています。場合によっては走行中にキタキツネやヒグマなどに遭遇する可能性があります。
キタキツネには寄生虫のリスク、ヒグマは襲われるリスクがあるため、万が一遭遇した際には車から降りないようにしましょう。知床峠付近の横断道路を通る際は、野生動物に衝突しないためにもスピードを落としてゆっくりと進むようにしてください。
また、観光スポットによっては熊の出没情報が確認されると遊歩道が閉鎖される可能性もあります。知床・羅臼町のホームページでは、ヒグマの警戒情報や出没情報などが掲載されているので、行く前にチェックしておくとよいでしょう。
公式ホームページ:羅臼町ヒグマの出没情報
時期によっては夜間が通行止めになる
知床峠展望台付近にある横断道路は、冬季になると路面凍結や積雪の影響で通行規制が始まるため、注意が必要です。知床横断道路は冬の間除雪がされず、「夏タイヤで通れること」が開通条件となっているため、11月になると通行規制がかかります。
期間は11月〜5月の間で夜間の走行が規制され、路面の状況によっては通行可能時間帯であっても通行止めになる可能性も。そして雪が降り始める頃には完全に通行止めとなります。
通行止めとなっている期間中は知床峠展望台からの景色も見ることはできません。除雪作業は4月の開通を目指して2月ごろから行われるため、行く前には必ず道路の状況をチェックしてから向かうようにしましょう。
まとめ
知床展望台は知床の自然が堪能できる魅力的なスポットです。周辺には知床五湖をはじめ、さまざまな観光スポットや旅の疲れを癒す温泉などが点在しています。道東ドライブの際にはぜひ行ってみてくださいね。